スポーツチャンバラについて・・・もっと詳しく!

スポチャンの歴史

「スポチャン」の愛称で親しまれているスポーツチャンバラは、現国際スポーツチャンバラ協会会長・田邊哲人氏が1971年(昭和46年)に「護身道」を刊行した時から発祥した。そして門人を育成して2年後の73年(昭和48年)に「全日本護身道連盟」が発足、その後も発展を続け、「国際スポーツチャンバラ協会」となった。小競技会の開催や啓蒙活動を展開し、現在では会員40万人を数え、インストラクター等の公認指導員が5000人に至っている。(平成23年現在)【国際スポーツチャンバラ協会HPより】
「護身道」の名前通り、元々は身の周りのものを使っていかに身を守るかという技術であったが、近年では一定のルールに基づいて勝敗を競う「競技スポーツ」の色合いが強い。

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老若男女関係無く一緒に楽しむ事ができます。
すばしこい子供に大人が一本取られる事もよくあります。

スポチャンの技術について

「チャンバラ」という名前の響きから子供の遊び的な印象を受ける方が多いようです。実際、老若男女が遊び感覚で楽しめるというのもチャンバラの大切な一面ですので、そういった印象も半分は正解です。

しかし、決してそれだけではありません。チャンバラは単純にルールの制約がほぼないので、剣道の技術だろうが、フェンシングの技術だろうが、古流剣術の技術だろうが、その他各国独自の剣術まで、そのまま持ち込み自由です。さらにそこにチャンバラ独自の技術も加えられるし、あと、武術経験のある人にはとても思いつかない素人さんの遊び心あふれる技も意外と有効だったりして、それこそ無限の技術的深化があるわけです。

素手の格闘技では総合格闘技といって最小限の制約で他の様々な競技の技を自由に使える方式がありますが、チャンバラは「得物系」の総合格闘技と言っても良いと思います。

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スポチャンの最も特徴的な技「足打ち」。
この技で決まる試合が最も多い。

スポチャンの実戦性について

もちろん遊びとしてやっても良いし、競技として試合に勝つことを目標としてやっても良いんですが、野球やサッカーとちがって、こういう武術的なスポーツをやろうとする方にとって「いざというときに役に立つのか」というのは大きな関心事と思います。

スポチャンの実戦的な点は
①ルールに縛りが無いのであらゆる攻撃を自由に行うことができる。逆に防御側はあらゆる攻撃を想定し対処する技術が必要になる。これは実戦でも同じ。
②剣が軽く安全なため思いきり振って当てることができる。そのため剣速はかなり速くなり、飛び込み技や連続技も容易にできる。従ってそれをかわす為の俊敏な身のこなしが養える。反射神経はものすごく上がる。
③服装が自由で面以外の防具をつけないので、動きが制約されることなく日常生活に近い条件での戦いが体験できる。
④体のどの部分であろうと一発当たれば負けなので常に高い集中力と正確な間合いの読みが必要となる。

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剣速はかなり速いです。最初は「こんなんかわせるか~!」と思いますが、
練習をしていると驚くほどかわせるようになります。無論かわせない時もあります。

逆に実戦的でない点は
①使用するエアー剣が軽すぎる、軟らかすぎる。小太刀の技とかは例えば特殊警棒などに持ち替えればそのまま応用できるものもあるが、長剣は同じくらいのサイズで同じくらいの重量で威力のある武器というのはあまり無い。エアー剣が自在に操れたところで実際に使う武器が重くては使えない。また軟らかく、すぐグニャリとなってしまうので鍔迫り合い的なことは難しい。

②安全で痛みも少ないため、気持ちが強くならない。他の格闘技などでは、練習時に痛みや怖さを味わい、それを乗り越えることで、戦うための強い気持ちが育つのだと思うが、チャンバラはそういう要素が薄い。

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木剣による組太刀を並行して練習するなどして
補うというのも一つの方法かと思います。

私の見解としてはチャンバラには実戦でいかせる要素が多分に含まれていると思います。小太刀の技術などはエア剣でやってるうちは「当たった、負けちゃった~」などと笑顔で楽しむことができますが、そのエア剣を例えば特殊警棒などに持ち替えれば、そのまま相手を制圧できる技術として応用できるわけです。長剣などは長さ・重さの関係でそのまま応用できる得物はあまりないかもしれませんが。

また、この競技は長年やってると「間合いの読み」と「反射神経」がめちゃくちゃ上がります。これは実戦の中でかなり重要な能力のはずです。

ただし、現在、ほとんどの道場で行われているようなスポーツ化された練習をただ茫漠とやるだけでは、実戦に対応するのは難しいかな、と思います。実戦で使いたいなら普段から実戦を意識した練習・研究が必要。そうすれば有効な護身術にすることはできるでしょう。要するにチャンバラ自体の技術がどうこうというよりは、やる人が何を目的としてやるか、それに合わせた練習ができるか、という点が重要だと思います。

遊びでやっても全く問題ないですし、逆に真剣に得物系を極めたいと考える人にとっても決してあなどれない、経験して損のない競技だと思います。

スポチャンは生れてまだそれほど経ってないし、今のところはまだ自由な発想が許されるものです。実用性と競技制を兼ね備えた全く新しい武術スポーツとなる可能性を十分秘めているし、そうしていきたいと思います。

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チャンバラは競技としても武術としても、
これから様々に発展する可能性を秘めています。